山口労働局が、定期健康診断の有所見率を公表していますが、平成23年度は51.9%とのことです。かなり高いものとなっており、会社としても無視はしていられるものではありません。
有所見者が出たときに「どのように対応をするか」というのはスタートからゴールまでの見通しを立てるのは思いのほか困難です。山口労働局が発行しているパンフレットにその道筋が立てられておりますのでご紹介いたします。
1 定期健康診断実施後の措置
・ 定期健康診断結果の有所見についての医師からの意見聴取及びこれに基づく労働時間の短縮、作業の転換等の措置を適切に実施する。
・ 産業医の選任義務のある労働者数50人以上の事業場では、産業医からの意見を聴くようする。
・ 産業医の選任義務のない労働者50人未満の事業場では、異常所見のある従業員について医師等による意見聴取を行っていない場合には、地域産業保健センターを利用して、医師等からの意見聴取を行う。
2 定期健康診断結果の労働者への通知
・ 定期健康診断の結果を通知することは、労働者自身が健康状態を知って自身の健康の保持増進に積極的に努めるようにするとともに、労使が健康情報を共有して健康管理を行うための重要な手続きなので必ず従業員に通知する。
3 定期健康診断の結果に基づく保健指導
・ 医師又は保健師による保健指導は、再検査若しくは精密検査又は治療の勧奨にとどまらず、脳・心臓疾患関係の主な検査項目(血中脂質検査、血圧の測定、血糖検査、尿中の糖の検査及び心電図検査)の有所見改善に向けた取組において重要であり、食生活や運動等の指導、健康管理に関する情報提供を十分に行う。
4 健康教育等の実施
・ 健康教育及び健康相談その他労働者の健康の保持増進を図るため必要な措置に取り組む。
・ 健康教育等は、有所見者のみならず、毎年検査値が悪化するなど有所見者となることが懸念される者についても行い、脳・心臓疾患関係の主な検査項目に所見のある者に対しては当該項目の改善に係る健康教育等を重点的に行う。
5 有所見率改善に向けた健康づくり計画の策定・実施
・ 定期健康診断結果等を分析し、有所見者のほか、毎年検査値が悪化するなど有所見者となることが懸念される者、脳・心臓疾患関係の主な検査項目に所見のある者等にグループ化するなど、従業員の健康状態に応じた健康教育、運動指導、情報提供といった必要な産業保健指導のための短期及び中長期の計画を策定する。
・ 計画には、「定期健康診断有所見率改善強化月間」などの行事を定めたり、産業医が作業現場の巡視を行う日を「有所見率改善取組デー」と定めたりすることにより、健康づくりの機運の醸成を図る。
・ 全国労働衛生週間及びその準備期間において、有所見率改善の取組を効果的に推進するため、社内誌、講演会、電子メール、掲示等により、重点的に啓発等を行う。
6 取組状況の評価
・ 労働者ごと及び事業場全体について、実施した保健指導や健康教育等の内容、労働者自身の取組状況、定期健康診断結果等を基に、健康づくり計画の実施状況を評価し、今後充実強化すべき事項があれば、その後の計画に反映させる。
・ 定期健康診断結果の評価においては、必要に応じて、検査値が改善傾向であるかについて評価を行う。
(労務管理資料お問い合わせ番号117:山口労働局)
あなたの職場で健康づくり進めてますか(平成24年度版パンフレット)
http://yamaguchi-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0049/1993/201271391413.pdf
お問い合わせ:名古屋市中区大井町2-11 中部労務管理センター 電話番号:052-331-0844