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1月 21 2013

■労務管理ポケットメモNO.37:賃金請求権と時効

 給与計算など事務手続き上のミスや賃金不払残業など過去に遡って賃金等を支払うというケースは多々ありますが、いつまでの分を支払うのかという問題は発生した事項の対象期間が長ければ長いほど、深刻な問題になっていきます。

 

 民法167条では、「債権は10年間行使しないときは、消滅する」となっていますが、これは原則であり、賃金請求権等は、労働基準法115条にて「この法律の規定による賃金(退職手当を除く)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は、5年間行わない場合においては、時効によって消滅する」とされています。よって援用する(できる)ことを前提とすれば、多くのケースでは最大2年ということになります。

 

 注意をしておかなければいかないのは、時効の進行中に時効中断事由が発生していないか?ということです。時効中断事由が発生しているとその時点で振り出しに戻り、そこから新たに時効が進行することになります。時効の中断事由には請求・差押え・承認等がありますが、問題が発生した時にはこれらの中断事由が発生していなかったかという点にも目を向けなくてはなりません。時効の中断の中で年次有給休暇請求権について行政解釈がありますので挙げておきます。

 

(昭24.9.21基収3000号)

 いかなる程度の事実を以て民法にいう債務の「承認」があったことになるかは具体的に判断しなければならないが、勤怠簿、年次有給休暇の取得簿に年次有給休暇の取得日数を記載している程度のことは承認したことにはならないと解される。なお、年次有給休暇については積極的に労働者に与えるようにせられたい。

 

 現実に発生する問題であるとはいえ、発生した時には事も大きくこじれる傾向にあります。時効を気にする必要がない労務管理をしていくことに力添えができるよう尽力していきます。

 

 

お問い合わせ:名古屋市中区大井町2-11 中部労務管理センター 電話番号:052-331-0844

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